ネズミ捕り器や粘着シート、忌避剤、超音波器など、ネズミを駆除する手段はさまざまですが、そのうちの一つに、ネズミが食べると死んでしまう毒餌(殺鼠剤)を使って駆除する方法があります。
本記事では、毒餌の種類や選び方、毒餌でネズミを駆除する前に知っておくべきポイントなどを紹介します。
毒餌(殺鼠剤)の選び方
市販の毒餌にはいくつかの種類があり、場所や状況によって使い分けることで駆除がしやすくなります。ここでは、効果が出るまでの時間と設置方法に着目して、毒餌の種類と選び方を紹介します。
効果が出るまでの時間
市販で購入できる毒餌には、速効性のものと遅効性のものがあります。
毒餌の種類 | 効果が出るまでの時間 | 成分 |
速効性の毒餌 | 食べてから数時間程度 | シリロシド、リン化亜鉛など |
遅効性の毒餌 | 1週間程度(複数回食べることで毒が蓄積する) | クマテトラリル、ワルファリン、フマリン、ジフェチアロールなど |
速効性の毒餌は、食べてから数時間ですぐに効果が出ます。すぐにネズミを駆除したい場合や、ネズミが多いためとにかく数を減らしたい場合におすすめです。
ただし、速効性の毒餌はネズミに警戒されやすく、なかなか食べてもらえないことも多いです。ネズミは学習能力が強いため、仲間のネズミが毒餌を食べて死んだことに気づくと、もうその毒餌には近寄らなくなります。
また、速効性の毒餌はすぐに毒が回るため、取り扱いには十分気を付けねばなりません。誤飲すると非常に危険ですから、赤ちゃんやペットがいる家では使わないでください。
遅効性の毒餌は、何度も継続して食べることでネズミの体内に少しずつ毒が蓄積していき、1週間ほどで死に至る仕組みです。速効性の毒餌のようにすぐに毒が回って死ぬわけではないため、ネズミに警戒されにくく、食いつきやすいことが多いです。
デメリットは、効果が出るまでに1週間ほどかかってしまうことです。時間をかけてじっくり確実にネズミを駆除したい方におすすめです。
設置方法
毒餌は、設置方法によって下記の3種類に分けられます。
- 投げ込み式
- トレー式
- 粉式
投げ込み式の毒餌は、袋の中に毒餌が入ったもの。袋ごと投げ込んで設置できるため、天井裏や棚の裏など、手の届きにくい場所へ設置するのに便利です。「天井裏や床下などにわざわざ行って、ネズミと対面したくない」という方にもおすすめです。
トレー式は、その名の通りトレーの上に毒餌を載せたものです。ネズミが通る位置に狙いを定めてむき出しの状態で設置できるため、袋に入った投げ込み式の餌と比べて効果が出やすいです。
粉の毒餌は、食料などに混ぜて設置します。ネズミに食料を食べられてしまう被害があった場合、その被害があった食材に混ぜて使えば効果が出やすいでしょう。粉を人やペットが吸い込んでしまう可能性もあるため、取り扱いには十分注意が必要です。
毒餌でネズミを駆除するのは難しい?
毒餌の種類について説明してきました。場所や状況に応じて毒餌を使い分けることで効果が出やすくなりますが、それでも毒餌だけでネズミを完全に駆除するのは難しいこともあります。
なぜ、毒餌だけでネズミを駆除するのが難しいのか、その理由を3点説明します。
スーパーラットには効かない
ネズミの中には、毒餌に耐性を持った、いわゆる「スーパーラット」と呼ばれる個体が存在します。住みついてしまったネズミがスーパーラットだった場合、遅効性の毒餌を何度食べても死にません。
何日経っても効果が出ない場合、毒が強力な速効性の餌に切り替えるという手段もあります。しかし、スーパーラットは知能が高く警戒心も強いため、速効性の毒餌は警戒して食べようとしないことが多いです。
ネズミの侵入口を塞がないとまた侵入する
ネズミは、壁や床下に空いた小さな穴や通気口、下水管など、さまざまな場所から建物に侵入し、巣をつくって住みつきます。ネズミが外から侵入するのを防ぐには、ネズミがどこから侵入したのか突き止め、侵入口を塞ぐ必要があります。
侵入口を塞ぐ作業を行わないと、何度駆除しても新たにネズミが侵入してしまいます。そのため、毒餌だけだと根本的な解決にはならないのです。
なお、ネズミはたった数センチのすき間でも侵入できるため、一般の方がネズミの侵入口をすべて見つけて塞ぐのは非常に困難です。
死骸の処理が大変
毒餌を使ったネズミ駆除は、ネズミが死んだらそれで完了ではありません。ネズミの死骸を処理する必要があります。
ネズミの死骸を処理する作業は、ネズミが苦手な人にとっては精神的に非常に苦痛なものですよね。ネズミには病原菌がたくさん付着しているため、感染症にかかってしまう危険も伴います。死骸処理だけでなく、ネズミが通った箇所もすべて消毒する必要があります。
また、ネズミはかならず毒餌の近くで死ぬわけではありません。先ほど述べたように、ネズミは速効性の毒餌を食べたとしても即座に死ぬわけではなく、数時間活動したのちに死に至ります。
毒餌を食べたネズミが人の目が届かない場所で死んでしまい、気づかずにそのまま放置した場合、死骸は腐敗して虫が湧き、ひどい悪臭の原因となってしまいます。
毒餌でのネズミ駆除が難しければ専門業者に依頼
ネズミを駆除する方法の一つに毒餌がありますが、スーパーラットには効果が出ない点や、死骸の処理が大変という点には注意しなければなりません。また、毒餌でネズミを退治できたとしても、ネズミの侵入口を塞がないと意味がありません。一般の方が毒餌のみでネズミを駆除するのは、なかなかハードルが高いことといえるでしょう。
もし、毒餌を使って自力でネズミ駆除をするのが難しければ、プロのネズミ駆除専門業者に依頼してみてはいかがでしょうか。
大洋防疫研究所は、害獣・害虫駆除の専門業者。昭和50年の創業からこれまでに、13万件以上のネズミ駆除を行ってきました。積み重ねた実績から得たノウハウで、他社では駆除が難しい現場でも確実に駆除を行い、多くのお客様から喜びの声をいただいております。
見積りは無料ですから、ネズミにお困りの方はぜひお早めにお問合せください。