寝ている間に人の血を吸い、眠れないほどの激しいかゆみをもたらすやっかいな虫、トコジラミ。発見したら、すぐに駆除したいですよね。でも、トコジラミを駆除しようとしてやったことが、実は全く意味がなかったり、むしろ逆効果になってしまう場合もあるのです。
本記事では、トコジラミが出たときにやってはいけないことや、やっても意味がないことについて解説していきます。
トコジラミの間違った駆除方法
そのまま放置するのはNG
「トコジラミに刺されたけど、放っておけばそのうちいなくなるだろう」と思っている方はいませんか?残念ながら、トコジラミは放置しても減ることはありません。
成虫は毎日5〜6個の卵を産むため、短時間で爆発的に繁殖していきます。数が増えれば増えるほど駆除が困難になるため、早急に対処しなければなりません。
また「冬になったらトコジラミはいなくなるから大丈夫」とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、トコジラミは寒さに強く、日本の冬を越すことができるのです。
冬は夏と比べてトコジラミの被害が少なくなりますが、死滅したわけではなく、活動量を抑えてじっと隠れているだけ。しばらく栄養を取らずに飢餓状態でも生きていけますから、冬を越えたらまた元気に活動を再開してしまいます。
寝る部屋を移してはいけない
トコジラミはその名の通り、寝室で繁殖することが多い虫です。トコジラミが棲み着いた部屋で寝るのは気持ち悪いですし、寝ている間に刺されるのも嫌なので、寝る部屋を移そうと考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、寝る場所を移すのはよくありません。着ている衣類や寝具にトコジラミがついている可能性が高く、寝る場所を変えると被害を他の部屋にまで広げてしまうためです。トコジラミが複数の部屋で繁殖してしまうと、それだけ駆除作業も大変になってしまうでしょう。
引越しをしてはいけない
トコジラミが増えてどうにもならないため、思い切って引越しを考える方もいるようです。しかし、引越しをしてもトコジラミ問題は解決しません。99%以上は、トコジラミを転居先にまで運んでしまうだけです。
なぜなら、引越し先に運ぶ荷物にトコジラミがついているため。ほとんどのものを処分したとしても、少しでも荷物が残っているとトコジラミも一緒に運ばれ、転居先で再度繁殖してしまうのです。
ピレスロイド系殺虫剤・くん煙剤を使用してはいけない
トコジラミを発見したら、まずは市販の殺虫剤を使って駆除しようとする方が多いでしょう。しかし、これはNGです。
現在日本で繁殖しているトコジラミの多くは「スーパートコジラミ」といって、殺虫成分を体内で分解できる能力を備えています。そのため、市販されているピレスロイド系殺虫剤は効きません。殺虫剤の説明書きに「トコジラミ用」と記載してあったとしてもです。
特にくん煙タイプの場合、嫌がったトコジラミが生きたまま逃げて別の部屋に移動してしまうため、効果がないどころか生息範囲を広げてしまい、かえって駆除作業を困難にしてしまうのです。
普通に洗濯しても駆除できない
残念ながら、トコジラミは洗濯機で洗濯するだけでは死滅しません。「洗濯機でシーツや枕カバーを洗った後もトコジラミが生きていた」なんてこともよくあるので、恐ろしいですよね。
トコジラミは熱に弱いため、80度以上のお湯に5分以上浸ける方法が効果的です。しかし実際には、浸けている際にお湯の温度が下がったり、対象物の中心まで熱が届かなかったりして、効果が得られない可能性が高いでしょう。
熱乾燥機にかける方法もありますが、これも対象物全体にきちんと熱が通っていないと失敗してしまいます。また、シーツや枕、布団などは乾燥機に入れることができますが、マットレスやソファなど大きいものは熱乾燥機が使えません。
素手で触らないほうが良い
トコジラミのエサは、人やペットなどの血液のみ。トコジラミをつぶすと、吸血した血液が出てきて汚れてしまいます。
トコジラミによる感染症の事例は今のところありませんが、トコジラミやその卵を見つけても、念のため素手でつぶさないほうが良いでしょう。ガムテープにくっつけて取るか、掃除機で吸い取り、ゴミ袋はすぐに密封して捨てるようにしましょう。
自分で完全駆除しようとするのはNG
トコジラミを自力で駆除しようとするのは、決しておすすめできません。何ヶ月も駆除作業に時間を費やし、それでも駆除しきれない可能性が非常に高いためです。
トコジラミは小さく、普段はわかりにくい場所に生息しており、人が寝静まる夜に活動する虫です。ですから、一般の人が部屋に潜むトコジラミを残らず見つけ出すのは不可能といえます。
また、先ほども述べた通り、トコジラミは非常に繁殖力の強い害虫です。目視で「全て駆除できた」と思っていても、1匹でも残っていたらまたすぐに再繁殖してしまいます。
自力で完全駆除を試みるのは、時間も労力もかかり、ただ疲弊してしまうだけでしょう。
トコジラミ駆除は専門業者へ依頼するのがおすすめ
トコジラミは、自力で駆除しようといろいろ試しているうちに、どんどん繁殖して被害が大きくなってしまいます。トコジラミを一匹でも見つけたら、もしくはトコジラミの被害らしきものがあったら、すぐに専門業者に依頼すべきでしょう。
大洋防疫研究所は、昭和50年の創業からこれまでに2,800件ものトコジラミ駆除を行ってきました。一般家庭、ホテル、旅館、ネットカフェなどさまざまな場所での駆除ノウハウを持っており、どんな現場にも対応できます。
「これってトコジラミかな?」と思った時点でお早めにご相談ください。