近年、海外との人や物の行き来が活発になったこともあり、日本でも被害が増えているトコジラミ。寝ている人に近づいて吸血し、刺されると眠れないほどのひどいかゆみをもたらします。一度繁殖すると駆除が非常に難しいため、宿泊業を営む方々にも恐れられている害虫です。

もし、ホテル・旅館などの宿泊施設でトコジラミが出たらどうなるのでしょうか。本記事では、ホテル・旅館業を営む方向けに、トコジラミへの備えや発生した場合の対処について紹介します。

ホテル・旅館でトコジラミが発生したらどうなるか

ホテルや旅館でトコジラミが発生した場合、経営において下記のような影響が出ると考えられます。

宿泊者数の減少・予約キャンセル

ホテルや旅館でトコジラミ被害が起こると、宿泊されたお客様に多大な迷惑をかけてしまいます。被害に遭われたお客様が、SNSや口コミサイトにトコジラミのことを投稿し、それが広まることで、宿泊先に選んでもらえなくなってしまうでしょう。

さらに、トコジラミ被害があった宿泊施設を地図上にまとめたアプリやWebサイト「トコジラミマップ」に掲載される可能性もあります。

駆除費用の負担が増える

トコジラミは駆除が非常に難しい害虫です。自力での駆除はほぼ不可能ですから、業者にお金を払って駆除してもらう必要があります。

駆除業者を呼んで駆除を完了させるまで、トコジラミが発生した客室やその周りの客室を貸し出すことはできません。広範囲に繁殖してしまった場合、宿泊施設全体の営業を停止しなければならない可能性も。病院費用や代わりに宿泊するホテル代など、トコジラミの被害に遭われたお客様の損害を補償するための費用も必要です。

トコジラミの被害が大きければ大きいほど、駆除しなければならない部屋数やお客様への補償が増え、時間も費用も多くかかります。なかには、トコジラミ駆除のコスト負担に耐えられず、倒産してしまった宿泊施設も。ホテルや旅館にとって、トコジラミの繁殖がいかに恐ろしいことかわかるでしょう。

トコジラミをホテル・旅館に持ち込まない方法はあるか?

ホテル・旅館でトコジラミが発生した場合の損害について説明しました。大切なお客様に被害をもたらし、宿泊施設を倒産に追い込む可能性すらある、恐ろしいトコジラミ。経営する側としても、決して発生させたくない害虫ですよね。

しかし、トコジラミの発生を防ぐ方法は、残念ながらありません。

トコジラミは外から自力で侵入してくるわけではなく、人が着ている衣服や荷物にくっついて移動し、客室内に持ち込まれて繁殖します。トコジラミを持ち込まないようにするには、宿泊されるお客様の身体検査や荷物検査を徹底的におこなう必要がありますが、これはなかなか現実的ではないでしょう。

また、害虫というと、掃除が行き届いていない不潔な環境で繁殖するイメージがあるのではないでしょうか。しかし、トコジラミは開業して間もない清潔なホテルや旅館でも、関係なく繁殖します。

このように、トコジラミを持ち込まない方法はありません。そのため、トコジラミ発生に早めに気づき、被害が少ないうちに完全駆除するしかないのです。

トコジラミに備えてやっておきたいこと

ホテルや旅館にトコジラミを持ち込まない方法は基本的にないため、早期発見・早期対応が重要です。ここからは、トコジラミ発生に備えて日頃からやっておきたいことを紹介します。

こまめに目視チェックをおこなう

トコジラミが持ち込まれるのを防ぐことはできませんから、お客様が被害に遭われる前に早期発見することが大切です。

日頃からトコジラミが潜伏しやすい場所を定期的にチェックし、トコジラミやトコジラミの卵がないかチェックするようにしてください。

トコジラミは、暗くて狭く、人目につきにくい場所を選んで潜伏します。ベッドマットレスの継ぎ目、ソファのすき間や縫い目、カーテンの折り目やカーテンボックスの内側、押し入れの端、畳のすき間、障子やふすまと敷居の間などをこまめに確認しましょう。

トコジラミは赤褐色で平らな形をしており、成虫は体長5〜8mm程度の大きさです。トコジラミの卵は1mm程度で白く細長い形をしています。また、トコジラミは潜伏場所の近くに糞を残します。黒い墨汁のような痕を見つけたら、トコジラミが住み着いている可能性が高いでしょう。

関連記事:トコジラミはどこに潜んでいる?潜む場所や生息の痕跡について

トラップを用意

トコジラミを早期発見するために、客室にトラップを仕掛けておくとよいでしょう。ベッドの脚に敷いてトコジラミが登ってくるのを防ぐタイプや、押し入れやベッドのすき間に設置して粘着剤で捕獲するタイプなどがあります。ネズミ用やゴキブリ用のトラップでは効果がありませんから、必ず「トコジラミ用」として販売されているものを使用してください。

ただし、このトラップだけでトコジラミを完全に駆除することはできません。あくまでも、トコジラミが生息しているかどうか確かめるために使用します。トコジラミを発見したら、直ちに専門業者に駆除を依頼してください。

トコジラミ駆除保険を利用する

JTB旅連事業の「災害時被災者対応保険」には、トコジラミ発生時の駆除費や、駆除時の営業停止によって下がった売上を補償する特約が用意されています。万が一トコジラミが発生した際に備えて、このような保険に加入しておくのもおすすめです。

客室でトコジラミを見つけたら

客室でトコジラミを発見したら、まずは速やかに駆除業者に連絡します。その後の動きについては、基本的に業者の指示に従ってください。

トコジラミは、温度が低い場所では動きが鈍くなります。トコジラミが発生した客室に低い温度でエアコンをつけておくことで、少しでも繁殖を遅らせることができるでしょう。

業者が来るまで、トコジラミが生息していた客室やその周囲の部屋にはむやみに立ち入らないようにしてください。トコジラミが人や荷物にくっついて移動し、生息場所を広げてしまうかもしれません。

客室のドアのすきまは、テープなどで塞いで密閉しておくことをおすすめします。

ホテル・旅館のトコジラミ駆除は、1回施工で完全駆除できる業者を選ぶ

ホテル・旅館業者がトコジラミに備えてやっておきたいことや、発生時の対応について解説しました。

トコジラミが持ち込まれるのを防ぐことはできませんから、早期発見・対処が大切です。トコジラミを見つけたら、直ちに駆除技術が高い業者に依頼して、完全駆除してもらいましょう。

費用を抑えて確実に駆除したいなら、1回で完全駆除を約束できる技術の高い業者を選ぶことをおすすめします。

大洋防疫研究所は、トコジラミの駆除実績が日本一の駆除専門業者です。創業からこれまでに、3,000件を超えるトコジラミ駆除をおこなってきました。豊富な実績から培った技術やノウハウを活かし、1回の施工で完全駆除をお約束いたします。万が一再発した場合の保証もございます。

トコジラミやトコジラミの痕跡を見つけたら、お早めに大洋防疫研究所へご相談ください。