トコジラミは1回の駆除で完全駆除できる?専門業者が施工後の経過まで解説 石川 (神奈川県)
「トコジラミ駆除は1回では終わらないと聞いた」
「業者に頼んでも2回、3回と施工する必要があるの?」
「駆除後にトコジラミを見つけたら、施工に失敗したということ?」
トコジラミの被害に遭われた方から、このようなご質問をいただくことがあります。
トコジラミは、ベッドやマットレスだけに生息しているわけではありません。
壁や床の隙間、巾木、家具、畳、カーテン、収納など、室内のさまざまな場所に潜伏します。
さらに、殺虫剤に対する抵抗性の問題も報告されているため、単純に「殺虫剤をまけば終わり」という害虫ではありません。
有限会社大洋防疫研究所では、1975年(昭和50年)の創業以来、害虫防除に携わり、トコジラミについても数多くの現場を施工してきました。
当社では、発生状況や室内環境を確認したうえで、残効性のある薬剤の特性を活かし、原則として1回の施工による完全駆除を目指す方法を採用しています。
ただし、ここで重要なのが、
「1回施工」と「施工当日にすべてのトコジラミがいなくなる」は同じ意味ではない
ということです。
この記事では、トコジラミ駆除に時間がかかる理由、施工後にトコジラミが出てくる理由、薬剤の残効性を利用した駆除方法、施工後にお客様にご協力いただきたいことまで、専門業者の立場から詳しく解説します。
目次
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トコジラミとはどのような害虫なのか
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トコジラミはどこに潜んでいるのか
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なぜトコジラミ駆除は難しいのか
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「1回施工」と「即日完全駆除」は違う
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当社が残効性を重視している理由
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施工後にトコジラミが出てくることがある理由
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卵から孵化したトコジラミへの対策
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殺虫剤抵抗性の問題
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熱だけで完全駆除できるのか
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市販の殺虫剤だけで駆除するのが難しい理由
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施工後にやってはいけないこと
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お客様のご協力が完全駆除につながる
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冬季に注意したいポイント
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再施工をすぐに行わない理由
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まとめ
1.トコジラミとはどのような害虫なのか
トコジラミは「南京虫」と呼ばれることもあります。
名前に「シラミ」と付いていますが、シラミの仲間ではなく、カメムシ目に属する昆虫です。
主に夜間、人が寝ている時間帯などに潜伏場所から出てきて吸血します。
刺された際の反応には個人差があり、強いかゆみが出る方もいれば、すぐには症状が現れない方もいます。
そのため、
「家族のうち一人だけ刺されている」
という状況でも、トコジラミがいないとは判断できません。
また、被害の初期段階では個体数が少ないため、実際にトコジラミを見つけること自体が難しい場合があります。
2.トコジラミはどこに潜んでいるのか
トコジラミ駆除で重要なのが「潜伏場所」の把握です。
ベッドで被害に遭ったからといって、ベッドだけを処理すればよいとは限りません。
トコジラミは非常に狭い隙間にも入り込みます。
例えば、
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ベッドフレームの接合部
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マットレス周辺
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巾木の隙間
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壁と床の境目
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壁紙の隙間
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家具の裏側
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ソファ
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カーペット
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畳
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カーテン
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押入れ・クローゼット
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衣装ケース周辺
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紙類や段ボール周辺
などが潜伏場所になることがあります。
実際の施工では、目に見えるトコジラミだけを処理するのではなく、トコジラミがどこに潜伏し、吸血のためにどのように移動するのかを想定して施工範囲を決めることが重要になります。

3.なぜトコジラミ駆除は難しいのか
トコジラミ駆除が難しい理由は一つではありません。
大きく分けると、
潜伏場所が非常に多い
目に見えているトコジラミは、生息している個体の一部にすぎない可能性があります。
見つけた虫だけを殺しても、別の隙間に個体や卵が残っていれば被害は続きます。
卵が存在する
施工時には成虫・幼虫だけでなく卵が存在している可能性があります。
そのため、施工した瞬間だけを見るのではなく、施工後に孵化してくる個体まで想定した防除設計が必要になります。
薬剤抵抗性の問題がある
トコジラミでは、殺虫剤に対する抵抗性が大きな問題となっています。
厚生労働省の資料でも、薬剤の種類によっては抵抗性トコジラミに十分な効果が期待できない場合があることが示されています。
したがって、
「トコジラミ用と書いてある殺虫剤を散布すれば駆除できる」
とは限りません。
薬剤の選定、散布場所、散布量、施工方法などを総合的に考える必要があります。
4.「1回施工」と「即日完全駆除」は違います
ここは当社のトコジラミ駆除を理解していただくうえで、特に重要な部分です。
当社では原則として、1回の施工で完全駆除を目指しています。
しかし、
「施工した日の夜から1匹も出てこない」
という意味ではありません。
施工時に直接薬剤がかかったトコジラミだけではなく、隙間の奥に潜んでいる個体や、施工後に卵から孵化する個体についても考える必要があるためです。
そのため当社では、残効性のある薬剤を適切な場所に施工し、施工後に活動するトコジラミにも薬剤へ接触させるという考え方を重視しています。
5.当社が残効性を重視している理由
トコジラミは、普段は潜伏場所に隠れています。
しかし吸血が必要になると、潜伏場所から出て人がいる場所へ移動します。
当社では、この習性を利用します。
床面や壁際、ベッド周辺、家具周辺など、トコジラミの潜伏・移動が想定される場所へ適切に薬剤処理を行います。
施工時に隙間の奥に隠れていた個体であっても、吸血のために移動する過程で残効性のある薬剤に接触することが期待できます。
つまり、
施工当日にすべての虫を探し出すことだけに頼るのではなく、施工後のトコジラミの行動まで考えて防除する
という考え方です。
当社では使用する薬剤の特性を踏まえ、おおむね2か月程度を駆除経過を見る重要な期間として考えています。
6.施工後にトコジラミが出てくることがある理由
施工後にトコジラミを見つけると、
「駆除に失敗したのでは?」
と不安になる方がいらっしゃいます。
しかし、施工直後から一定期間については、トコジラミが出てくること自体が直ちに施工失敗を意味するわけではありません。
施工時に隙間の奥に潜伏していた個体が、吸血のために出てくる場合があります。
また、施工時に存在していた卵から孵化した個体が活動を開始することも考えられます。
そのため当社では、施工直後の一時点だけではなく、一定期間の経過を確認しながら完全駆除を判断します。
7.卵から孵化したトコジラミへの対策
トコジラミ防除では、卵への対応も考えなければなりません。
施工時に成虫や幼虫を処理しても、その後に卵から新しい個体が孵化する可能性があります。
だからこそ、施工した瞬間だけ効く方法ではなく、一定期間効果が続く防除方法が重要になります。
孵化した幼虫も、生きていくためには吸血が必要です。
吸血するために潜伏場所から移動してくる過程で、施工された薬剤へ接触させることが、当社の防除方法の重要なポイントになります。
8.殺虫剤抵抗性の問題
近年のトコジラミ防除を考えるうえで避けられないのが、殺虫剤抵抗性です。
厚生労働省の資料でも、ピレスロイド系殺虫剤などに対する抵抗性の問題が取り上げられています。
これは非常に重要です。
一般の方が市販の殺虫剤を使用して、
「直接かけたのに、なかなか死なない」
「何度殺虫剤を使っても被害がなくならない」
というケースでは、潜伏場所を十分処理できていないだけでなく、使用している有効成分とトコジラミの感受性が関係している可能性も考えられます。
専門業者による防除では、単に薬剤を大量に使用するのではなく、薬剤の特性を理解して適切な場所へ適切に処理することが求められます。
9.熱だけで完全駆除できるのか
トコジラミは熱に弱い昆虫です。
厚生労働省の資料では、トコジラミについて、
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50℃で30分程度
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60℃で10分程度
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100℃近くでは数秒
といった高温条件で死亡するとされています。
しかし、ここで注意しなければならないのが、
「トコジラミが熱に弱い」ことと「部屋全体を簡単に完全駆除できる」ことは別問題
という点です。
トコジラミは隙間の奥に潜伏します。
表面を高温にできても、奥まで必要な温度が到達していなければ、生き残る可能性があります。
厚生労働省の資料でも、隙間の奥まで必要な温度を到達させることの難しさが指摘されています。
そのため当社では、熱処理だけに頼るのではなく、対象物や状況に応じて熱を補助的に利用しながら、薬剤処理を組み合わせることを基本としています。
10.市販の殺虫剤だけで駆除するのが難しい理由
被害が軽いうちは、
「まず自分で駆除してみよう」
と考える方も多いと思います。
もちろん、発見したトコジラミを直接処理することで一時的に個体数を減らせる場合はあります。
しかし問題は、見えていないトコジラミです。
トコジラミ防除では、
「何匹殺したか」
よりも、
「どこに潜伏している可能性があり、そこからどのように移動するのか」
を考えることが重要です。
また、むやみに殺虫剤を使用すると、トコジラミが別の場所へ移動し、生息範囲が広がってしまう可能性も考慮する必要があります。
被害が続いている場合や、複数の部屋で確認されている場合は、早い段階で専門業者へ相談することをおすすめします。
11.施工後にやってはいけないこと
施工後に特にお願いしているのが、薬剤を施工した場所をすぐに水拭きしないことです。
当社の施工では残効性を利用します。
施工後すぐに床や壁際などを水拭きしてしまうと、薬剤の残効性を十分に活かせなくなる可能性があります。
「薬剤をきれいに拭き取った方が安心」と感じるかもしれませんが、トコジラミ駆除という観点では逆効果になることがあります。
施工後の清掃については、施工担当者から説明された方法・期間を守っていただくことが重要です。
12.お客様のご協力が完全駆除につながります
トコジラミ駆除は、業者が薬剤を施工するだけで完結するものではありません。
室内の荷物が非常に多い場合、トコジラミの潜伏場所も増えます。
また、施工できない場所が増えることで、防除効果に影響する可能性があります。
そのため当社では、現場の状況に応じて、
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衣類の整理
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紙類の整理
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引き出し内の整理
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衣装ケース内の確認・整理
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寝具類への対応
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施工箇所を確保するための片付け
などをお願いする場合があります。
大変な作業ではありますが、トコジラミの完全駆除を目指すうえで非常に重要です。
13.冬季に注意したいポイント
トコジラミの活動には室温も関係します。
当社では冬季の施工について、必要に応じて室温管理へのご協力をお願いしています。
室温が低くなりすぎるとトコジラミの活動性が低下し、潜伏場所から出てくるまでに時間がかかる可能性があるためです。
当社では原則として11月15日頃から3月15日頃までを目安に、施工後は室温22℃以上を維持していただくようお願いする場合があります。
これは単に部屋を暖かくするためではなく、潜伏しているトコジラミの活動を促し、残効性のある薬剤に接触させることを目的とした施工後管理の一つです。
14.再施工をすぐに行わない理由
施工後にトコジラミを1匹見つけると、
「すぐにもう一度施工してください」
と思われるかもしれません。
しかし当社では、施工後すぐに再施工することを基本とはしていません。
残効性のある薬剤を使用している場合、その薬剤が効果を発揮する期間を考慮する必要があるためです。
施工直後に確認された個体が、
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施工時に隠れていた個体なのか
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卵から新しく孵化した個体なのか
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外部から新たに持ち込まれた個体なのか
によっても意味が変わります。
当社では施工日からおおむね2か月程度を一つの目安として経過を確認し、その後の状況を踏まえて必要な対応を判断しています。
トコジラミ駆除では、
「虫を見つけたからすぐ再施工する」のではなく、トコジラミの生活環と薬剤の残効性を踏まえて判断すること
が重要です。
トコジラミを見つけた場合は、できれば潰さず保管してください
「刺された跡がある」という情報だけでは、原因がトコジラミなのかを確実に判断できない場合があります。
そのため、虫を発見した場合は、可能であれば潰さず、ティッシュや粘着テープなどで確保しておくことをおすすめします。
写真を撮影していただくことでも確認できる場合があります。
トコジラミに似た昆虫も存在するため、実際の虫体を確認することは適切な防除方法を判断するうえで非常に重要です。
まとめ|トコジラミ駆除は「施工した日」だけを見るものではありません
トコジラミ駆除で最も誤解されやすいのが、
「施工したら、その日から1匹も出てこなくなる」
というイメージです。
トコジラミは非常に狭い場所に潜伏し、施工時に卵が存在している可能性もあります。
また、殺虫剤抵抗性も問題となっています。
そのため重要なのは、
トコジラミの生態、潜伏場所、卵からの孵化、薬剤抵抗性、薬剤の残効性まで考えたうえで防除計画を立てることです。
有限会社大洋防疫研究所では、1975年(昭和50年)の創業以来培ってきた害虫防除の経験をもとに、現場の発生状況や室内環境を確認しながらトコジラミ駆除を行っています。
当社では残効性のある薬剤の特性を活かし、原則として1回の施工で完全駆除を目指しています。
ただし、施工後すぐにすべてが終了するという意味ではありません。
隠れている個体や、その後卵から孵化した個体まで含めて駆除していくため、一定期間の経過観察が必要です。
トコジラミと思われる虫を発見した場合や、
「自分で対策しているが被害がなくならない」
「他社で施工したが再びトコジラミが出てきた」
「ホテル・民泊で発生し、どこまで施工すればよいかわからない」
といった場合は、被害が広がる前に専門業者へご相談ください。
参考情報
本記事では、トコジラミの熱への耐性、殺虫剤抵抗性、市販薬剤による防除の難しさなどについて、厚生労働省が公開している「トコジラミとその効果的な防除法」等の公的資料も参考にしています。
公的資料と実際の施工現場で得られた知見の両方を踏まえ、今後もトコジラミについて正確で実用的な情報を発信していきます。

